「健康」の視点での「水環境」の位置づけ: 保健・体育教師を目指す学生の意識

摘要

人間の身体中の水分は，成人では60%，高齢者では50%，新生児では70～70%であり，水は人間にとって必要不可欠のものである. 保健・体育教師を目指す学生において「水」，「健康」といえば「脱水症状」を思い浮かべる事例が2016年から2019年まで毎年発生した.脱水症状が起きると，1) 酸素や栄養素がうまく体内に行き渡らない，2) 老廃物を排出することができなくなる，3) 体温をうまく調整できなくなるなど，健康を害して死亡する事例もある.特に注意すべきケースは，1) 体調不良などで食事がとれないとき，2) 暑いとき，3) 嘔吐・発熱・発汗，4) 慢性呼吸器疾患，5) 糖尿病，6) 脳血管障害・認知症とされている（例えば，吉沢ら 2017；小川 2011；内田・肥田 2019）．また，健康の保持増進のための“食事バランスガイド”（厚生労働省・農林水産省2010）では，「水・お茶などの飲料水摂取の重要性」を示している.また，“健康的な食事プレート”（ハーバード大 2020）でも，「水，コーヒー，お茶を摂取する．糖分入りの飲料は避け，牛乳や乳製品は一日当たり一，二杯におさえ，ジュースは一日当たり小さいコップ一杯にしましょう.」と示している. 従って，人間にとって飲み水は必須であり安全でないといけない．さらに，生活用水も「安全な水」でないと健康を害することとなり，安全な水の確保のための水環境を守る「環境教育」も必要となる．