歴史史料による地域の景観表現

摘要

三重県伊勢市二見町に位置する密厳寺では長きにわたり、土地を五味一族が引き継いできた。五味家伝来の史料群を仮に五味家文書として、文書からは家屋以外の地域に関する史料も見受けられる。特に「陣屋地所年貢之覚」（表-15）からは、二見町において行政の一角を担っていたことが知られている。文書で年代が不明の史料の内、「密厳寺持分絵図」（表-118）では二見町全体を表している。これらの絵図史料を元にその時代における地域の景観認識を読み取り、二見町内における景観形成を新たに絵図化することで、二見町の景観特性を考えるツールとして提案する。