運営方針と利用実態からみた混住型学生寮における学生間交流に関する研究　その1: 混住型学生寮の共用空間と運営方針の特徴について

摘要

本報では近年の混住寮の共用空間と運営方針の特徴について、以下のことが明らかとなった。1)共用空間の特徴として、様々な機能の共用空間を分散させることで様々なコミュニティが形成されることを意図したものがみられること、2)管理者による運営方針として、入居期間や地域との交流を通して、人材育成や日本文化の理解を中心に留学生に対してより配慮した運営方針がとられていること、3)寮生活に関するルールは寮全体とユニット単位でそれぞれ管理者、入居者と決定主体が異なる一方で、フロア単位での決定主体は寮によってそれぞれ異なること、4)共用空間の環境の整備と維持に関するルールについては管理者が決定する一方で、より身近で日常的な運営上のルールについては、入居者に委ねられているものが多いことが明らかになった。