原位置観測による森林斜面における雨水浸透·流出メカニズ厶および森林土壌の保水機能の評価

摘要

日本は急な地形をもつ山地が多く、梅雨期や台風期に降雨が集中するという自然条件から河川流量の変動が大きく、これまでにはダムなどの土木造物によって洪水調節や安定的な水利用が図られてきた。一方、近年、環境問題に関する社会意識の向上に伴って、治水を目的とするダムなどの土木構造物建設の必然性を問う議論が活発となっている（例えば、吉野川みhなの会、清流川辺川を守る県民の会など）。ここで着目されているのは森林斜面のもつ機能を利用するいわゆる「緑のダム」論である。