黄河中流域都市群におけるフリンジの土地利用に関する研究: 鄭州市を対象として

摘要

中国経済は急速な発展を遂げてきた。この発展は、地域発展戦略に基づいているものである。すなわち、東部（沿海）の大発展から西部（内陸）の大開発へ、そして東北振興へと引き継がれている。東部と西部の間に存在する中部都市（内陸部）の経済·産業をさらに発展させ、各地域を有機的に連携させようという試みが行われている。このため、中部地区は、都市化が急速に進むことが予想される。しかし、都市化の進展により人口、産業が都市へ極度に集中する現象を呈しており、交通騒音、大気汚染、水質汚染等環境問題が発生している。また、都市内部および郊外地区の土地利用が激しく変化している。持続可能な都市発展を実現するためには、環境に配慮しながら都市開発を計画的に進めることが重要である。都市計画で対象となる地域は、市街地、生産系緑地、自然系緑地などがあり、都市と農村が共存する空間であるといえる。このことからも、中国のような急速に発展している状況をもつ国家にとっては、都市と農村における諸計画を総合的かつ一体的に遂行することは極めて重要である。現在、鄭州を中心に洛陽、開封などを含hだ"中原都市群経済圏"の形成が進hでおり、前述したような問題が今後、顕在化してくることが懸念されている。