自治会町内会における日常活動と災害対策活動の関係に関する研究

摘要

災害対策活動の実施の有無を目的変数、日常活動の実施の有無を説明変数とした数量化Ⅱ類により、日常活動と災害対策活動の関係を分析した。日常の特定の活動項目を実施することで、特定の災害対策活動が実施されるという直接的な関係ではないが、日常活動の状況と災害対策活動の状況に関連性があると考えられる。内容が酷似したもので実施の関連性が高くなる場合などがその例である。また、直接的には関連性が無いが、それぞれの地域のコミュニティの状況が日常活勳と災害対策活動のそれぞれに影響した結果、関連性が上昇したのではないかと考えられるものもあった。今後は、日常における災害対策活動の充実に加え、各自治会町内会の会としての能力向上という意味を含めた日常活動の充実も重要であり、そのような基礎的な能力を養うことにより、より多岐にわたる災害対策活動も実施できると思われる。また、防災まちづくりにおいても、日常的な活動の視点も取り入れた展開が重要であると考える。