各種セメントを用いたコンクリートの合理的な湿潤養生期間に関する実験: その10湿潤養生打ち切り時期が構造体コンクリートの含水率に及ぼす影響

摘要

以上より得られた知見を、次にまとめる。(1)材齢初期および表面に近づくことに伴う容積含水率の低下は主に乾燥の影響、材齢に伴う容積含水率の低下はセメントの結合水として消費される水分の影響によるものと考えられる。(2)湿潤養生打ち切り時期が早いと、主に材齢初期および表面近傍の乾燥に影響を及ぼす。(3)湿潤養生打ち切り時期が含水率に影響を与える構造体コンクリート表面からの深さの範囲は、容積含水率に変換した場合も構造体コンクリート表面から3cm程度までである。特に1cmまでの表層がより大きく影響を受けると思われる。(4)湿潤養生打切り強度を10N/mm~2以上確保すれば、構造体コンクリートの容積含水率への影響は少ない。