日本二十六聖人殉教記念館資料館の空間構成に関するー考察

摘要

日本二十六聖人殉教記念館資料館は、聖堂とは一線を画し、展示を主とした施設であるにも関わらず、その動線を考慮した全体の空間構成には、アッシジのサン・フランチェスコ聖堂に代表されるキリスト教会堂の空間構成の強い投影をみることができる。福田晴虔氏は「ガウディ的」要素を取り除くと、聖堂と資料館は簡潔な構成を成していると指摘し、さらに前者においては「ロマネスク的志向」がその主調を成すとまで述べている。本稿は、資料館の空間構成に限り、その「简潔な構成」がアツシジのサン•フランチェスコ聖堂に依拠するものであると推定した。