風力を対象とした木造軸組工法筋交い構面耐力壁の仮動的実験 その2 実験結果と弾塑性風応答解析

摘要

本稿では，その1に引き続き，仮動的実驗結果と弾塑性風応答解析の検証について述べる。図1に200秒以降600秒每(パートと記す)の平均値と標準偏差の経時変化を示す。風速倍率1は第6パート中(3710秒付近)で，風速倍率1.1は第5パート中(2739秒付近)で，風速倍率1.2は第1パート中(304秒付近)で，圧縮側の筋交いが損傷し変位が急激に大きくなったため，その時点で実験を終了した。風速倍率1の場合，平均値は全時間でほぼ同勾配で漸増し，標準偏差は変化しない。風速倍率1.1の場合，平均値は第1パート以降漸増し，第4パート以降で勾配がさらに大きくなる。これは，標準偏差が第3パートから増大することから，第3パート付近で試験体が損傷し，剛性が低下したと考えられる。