左右の違いに着目した人間の基本特性に関する検討（建築空間内を移動する人の動作特性に関する検討：その1）

摘要

建築空間の創造には材料を含めたデザイン性や施工性などが優先されることが多いが、基本は人がスムーズに移動や行動が可能なように計画されるべきである。現状の集合住宅では、効率的な設備計画や施工性等の理由から隣接住戸のプランが線対称として計画されるのが一般的であるが、どちらかの住戸の居住者から住みにくさや動きにくさ等が指摘されることも少なくない。また、人間には利き手や利き足など身体的な特徴があり、我々は既報において、人間の動きには左右の対称性が少ないことを報告した。そこで、本研究では、動きに対する基本的な人間の感覚的、身体的特性を把握し、居住空間を想定した行動?動作を行うことで、空間の左右の違いによる歩行軌跡の変化や感覚的変化を明らかにすることを目的としている。