AP研専のアクティビティから見る将来のネットワーク像: アンテナ・伝搬における総合力

摘要

アンテナ・伝播研究会[1] では，無線システムに係るアンテナ・伝搬(以下，AP 研と呼ぶ) に関する研究に関して検討および議論を進めてきた．昨年，AP 研では50 周年を迎えた[2][3]．この50 周年の歴史の中で，本分野も様々な過程を経て発展を遂げた．最近では，従来のアンテナや電波伝搬に関するトピックのみならず，2000 年代に入ると，MultipleInput Multiple Output (MIMO) システム[4] のような，従来のAP 研のみではハンドルすることが困難であり，かつ他研専と情報を共有することが必要な分野が登場している．他本稿では，まず，AP 研による技術分野と活動について紹介する．次に，MIMO システムを例にとり，主に著者に関係する技術紹介等から，アンテナ・伝搬における総合力的な技術の提案と評価の必要性について論じ，将来のネットワークに対するAP 研の貢献の可能性を示す．