大規模災害におけるサービス継続性を考慮したリソースプール配置に関する一検討

摘要

大規模災害時にも継続的な運用が求められるキャリアシステムでは，復旧時間と維持管理コストが重要となる．復旧時間については，仮想化技術のキャリア適用に向けた検討が進んできており，自動化等による復旧時間の短縮が見込まれる．一方で維持管理コストについては，クラウド技術を用いて安価にDisaster Recovery 設備（以下，DR 設備）を構築する方法もあるが，遅延等技術的課題により適用は難しい．キャリアが DR 設備を構築する場合，DR 設備専用のエリア（ビル）に設置する事が多い．しかし，少子高齢化などの社会情勢から，常時保守が可能なエリアは減少傾向にあり保守が容易な対策が求められている[1]．本稿では，上記の要求条件に対し，DR 専用エリアを用いない大規模災害対策の検討を行う．