鋼/FRP 合成構造のボルト接合部に関する長期観察（その1：FRP のクリープ特性とボルト軸力）

摘要

繊維強化樹脂（Fiber Reinforced Polymer：以下，FRP）は軽量，高強度であり，耐久性に優れていることから建設構造物への適用が期待されている。しかし，FRP 材で建設構造物を構成する際に不可欠となる接合部の力学的性状は明らかとなっておらず，研究成果の蓄積が必要である。また，FRP 材は粘弾性の性質を有しているため，経時的にボルト軸力が低下することが指摘されている。以上を踏まえ，本報その1 ではFRP に対して長期的に外力を作用させ，クリープ特性について観察，考察を行う。さらにボルトに歪ゲージを埋め込んだボルトゲージを用いたボルト軸力の変化について考察を行い，その性状を明らかにすることを目的とする。