小学校施設における教員スペースの先進事例にみる空間整備課題

摘要

学校施設計画において、児童を中心に据えた計画設計の重要性と共に、教員自身が質の高い教育を追求・実践しうる｢就業の場｣としての整備も重要である。この観点から、教員の執務スペースに関する筆者の研究~(※1) において①[学級担任の個人執務拠点]は職員室と普通教室の主に２拠点であり、かつ普通教室に重きが置かれていること、②[職員室]は管理職と一般教員の共同執務空間かつ学外者対応の空間という側面が強いこと、③担任・専科教員の[共同執務空間]及び④職務の別によらず利用できる[休養空間]の充実が求められていることを明らかにした。本研究ではこれら４点の整備課題に対し先駆的な取り組みがみられる事例を取り上げ、空間の特徴、利用状況、並びに問題点を比較分析することにより、教員スペース計画の具体を示すことを目的とする(図1,表1)。