第Ⅱバチカン公会議を契機とする日本のカトリック教会建築の変容について東京都区部のカトリック教会44 件を対象として

摘要

S V C によって典礼への現地語の使用が認められ信徒の行動的参加が促されたことにより、内陣の柵は撤去され祭壇を動かす工事が行われた。また聖堂の平面形状は多様化し集中型に分類される平面形状の割合はSVC を契機に増加傾向にあることがわかった。教会施設全体としてみるとS V Cを契機に包含に分類される教会が増加したことがわかったが、この傾向にSVC の相関は確認できず、管理・運営や経済的な面から包含が増加したことが推測できる。包含は「開かれた教会」に対して好ましくないと考えられるが、SVC 後に増加傾向にあり、SVC 及び東京教区大会・NICE が目指した理念と逆行する結果になっていることを示している。