Münster の屋外広告物規制に関する研究−ドイツのMünster 旧市街地 Prinzipalmarkt を対象として−

摘要

本研究では、ドイツのMünster のPrinzipalmarkt を対象に、屋外広告物と建築物の調和を考慮した客観的な基準による規制の運用実態を把握した。日本やドイツの他地域では、屋外広告物と建築物の調和について言及しているものの、客観的な基準が無いため、人によって判断が異なり、規制が難しいと考えられる。一方、Münster では、広告物と建築物のデザインに関するルールを一つの条例の中に定め、さらに、Prinzipalmarkt では、広告物の色、形、位置等を客観的な基準により規制しているため、広告物と建築物が調和した景観の維持が可能となっている。このように、同じ法体系の中で広告物と建築物を同時に規制することや、客観的な基準を設けることにより調和のとれた景観形成につながると考えられる。