図と地のコントラストを変数としたモノクロプリントによる壁面模様の面積効果の評価 その3壁面模様による注視点および印象への影響

摘要

壁紙に対する注視点分析を行った結果，全体的な注視範囲はN3.5 同士，N8 同士で似たような結果となった。したがって，模様よりもコントラストが注視傾向に違いをもたらす要因であることが分かった。コントラストが高いと模様による注視傾向の違いが大きくなり，コントラストが低いと模様が変わっても傾向に大きな違いは生じず，無地と似た傾向になることが分かった。花はコントラストが変わっても注視傾向に大きな変化はなかったが，縦縞と方眼はコントラストの違いによって注視傾向に変化が生じる模様であることが分かった。壁紙の印象に関する主観評価の結果から，N8 と無地が「軽快な」，「明るい」，「広々とした」，「好き」という印象を与えたのに対し，N3.5 は「親しみにくい」，「リラックスできない」という印象を与えていた。このように，注視傾向と同様，N8 と無地の間に共通点があり，N3.5 はそれらとは異なる傾向があった。