学習形態と音環境からみた大学図書館における居場所の多様性ラーニングコモンズのある大学図書館における「場」の階層性に関する研究

摘要

大学図書館は、2000 年代に入り大学教育の見直しや情報社会の影響を受け、「ラーニングコモンズ（以下L.C）」と呼ばれる学習空間の導入が進み、利用が広まりつつある。　L.C の導入によって図書館は利用が多様化し、紙媒体の資料を参考にしたり個人利用だけではなく、PC などを用いた利用や、複数人での利用も推奨されている。これらより「1 人で紙媒体の図書資料」の利用から電子資料の利用、グループでの利用といった様々な組み合わせの中で図書館を利用し、学習に応じて場を選択しているのではないかと考える。本研究では、L.C を導入をしている大学を対象とする。図書が配架されている開架 スペース( 以下開架) と、発話可能な空間である L.C での館内における行為を考察し、学習形態より個人利用、グループ利用の観点から、 場の選択行動を構造的に解明することを目的とする。