LiTi_2O_4負極材料のエピタキシャル薄膜を利用した全固体Li電池の作製

摘要

世界各国で電気自動車の普及が急速に進んでおり、全固体Li電池の実用化が強く望まれている。しかしその実用化に向け、いくつかの課題が指摘されている。その課題の一つが固体電解質と電極間の界面抵抗を低減することである。我々は結晶方位や表面構造を規定することが可能なエピタキシャル薄膜技術を活用し、界面抵抗の起源を解明するためのモデル電極作製に取り組んできた。これまでに一度も大気曝露することなく全固体Li薄膜電池を作製し、固体電解質とLiCoO2正極界面において超低抵抗(8.6 Ω⋅cm2)を実現している[1]。しかし、負極材料と固体電解質が形成する界面に着目した定量的な研究は皆無であった。そこで本研究では、サイクル特性や電子伝導性に優れるスピネル型LiTi2O4負極材料に着目し、界面抵抗の定量評価を目指してエピタキシャル薄膜を利用した全固体Li薄膜モデル電池作製を行ったので報告する。