高周波帯域変調によるコアキシャルホログラフィックメモリの複数ページデータ同時記録・再生法の改善

摘要

全世界で日々莫大な量のデータが生成され続けている現代において，その保管・管理は重要な課題の一つである．ホログラフィックメモリはこの課題を解決する有効な手段として広く研究がおこなわれている光メモリ技術である．ホログラフィックメモリは，厚みのある記録媒体を利用した同一箇所への多重記録が可能であるがゆえの記録密度の高さに加え，2 次元的に配列されたページデータの並列的な記録・再生による高データ転送率を特長とする．これに対し，さらなる高速化のために，偏光を利用して複数のページデータを同時に記録・再生する手法などが提案されている[1]．我々はこれまで，信号光と参照光を同軸配置としたコアキシャルホログラフィックメモリにおいて，記録される各ページデータのスペクトルを空間周波数領域で多重化することにより，クロストークなく複数のページデータを同時に記録・再生可能な手法を提案してきた[2]．