相転移 相転移 VO_2の金属的状態 金属的状態 間を推移 する 発振 現象 (Ⅱ)

摘要

近年, 機能性酸化物をニューロモルフィックコンピューティングに利用する取り組みが活発になっており, 第 64 回応用物理学会春季学術講演会ではシンポジウムが組まれた. 特に, 二酸化バナジウム (VO2) の絶縁体-金属相転移 (Insulator-Metal Transition:IMT) を利用したニューロン素子が注目されている.VO_2ニューロン素子は相転移領域を繰り返しスイッチングすることで得られる発振現象を動作原理としており, 応用に向けてVO2の発振現象を詳細に調査していく必要がある. 我々は, VO2を動作層とした薄膜デバイスの作製と発振現象について報告した.この報告では発振測定時におけるプローブの荷重を変化させることで,絶縁体から金属への相転移領域で推移する発振特性の他に, 金属的状態間を推移する発振特性が得られた. この金属的状態間を推移する発振特性は, プローブの荷重によって発振特性が変化する可塑性が確認でき, ニューロン素子としての要件を満たす可能性がある. しかし, 金属的状態間を推移する発振現象は特定の条件で作製したデバイスからしか得られず, メカニズムも不明であった. 本研究では, 金属的状態間を推移する発振現象のメカニズムを解明することを目的とした.