モード合成モデルにおける回転構造物系のジャイロモーメント行列の一般的構成

摘要

翼と回転軸の連成系において，翼振動の節直径数κ=0 モードは軸のねじり・スラスト振動と連成し，節直径数κ=1 モードが軸の曲げ振動と連成し，節直径数κ=2 以上のモードは軸振動とは連成しないことが知られている．翼と軸のそれぞれの単独系での固有振動数計算で共振回避を図ったとしても，連成効果で固有振動数は変化し，実は共振に陥るという可能性が考えられる．よって，翼軸全系の固有振動数を正確に知るためには，節直径数κ=0とκ=1 の翼振動については軸と連成させた系での解析が必要である．節直径数κ=0 モードについては様々な報告がなされており，その発端は，1985 年原子力発電所（台湾，馬鞍山）における翼軸連成ねじり振動事故(1)にある．一方，軸の振れ回りを考慮し，κ=1 の翼振動と翼軸系のジャイロモーメントを精度よく計算することが回転機械の設計において重要な要素になる．