自動車用ATにおける遠心振子式動吸振器の最適軌道に関する基礎的研究

摘要

自動車用オートマチックトランスミッション（以下AT）の主な働きはトルクコンバータでのトルク伝達および，遊星歯車装置による変速の自動化である．AT にはエンジンの駆動力を流体継手によってトランスミッション側へなめらかに伝達する装置であるトルクコンバータが備わっている．駆動側と被動側の回転差が小さくなった場合には流体を用いた伝達は非効率であるため，ロックアップ機構を用いてエンジンとトランスミッションを直結する．ロックアップ時のエンジンからの振動を低減させるために，ロックアップダンパと呼ばれるばねがトルクコンバータ内に存在する．