エッセンウエルディングフェアに見る溶接技術の潮流－溶接市場のニーズから,最新技術まで－溶接機器の潮流

摘要

17回目となる今回のフェアでは，昨年後半からの急落した世界景気を反映してか，40カ国以上から1,000社を越える出展があったものの常連出展者の出展小間面積の縮小が相次いだようで，そのせいか出展ホール数こそ全18ホールを使用していたが，ブースが設営されていないエリアのあるホールもあった。このような中で，中国から今回の全出展者数の1割を超える133社が出展し，第1ホール地下にはチャイナパビリオンまで開設され，溶接関連製品·部品の売り込みをかけているのが印象的であった。また，欧米を中心とする溶接機器メーカーにおいては，前回，前々回のように自動車産業を主とした輸送機器の分野をターゲットにした出展は影を潜め，風力発電のウインドミルやパイプラインなどのエネルギー分野をターゲットにした出展が目立ち，中厚板への溶接に関する技術PRが多かった。以下，今回のフェアにおけるアーク溶接機器関連のトピックスを拾い上げ，その動向について紹介する。