未来創生のためのイノべーション

摘要

イノベーションという言葉は，いまや日常会話の中でも頻繁に使われ，毎日のように見聞きする言葉となっている。イノベーションをはじめて定義したョーゼフ·シユンペーターは，経済発展の根幹はィノべーシヨンにあるという経済学的な見方を有していた。移動手段が馬車から蒸気機関車にとってかわったような，非連続的なイノベーションが経済発展には欠かせないとの見方だ。日本では最近，統合イノベーション戦略2019が閣議決定された。その中では，国民全体を卷き込hだ幅広い議論を惹起すると同時に，イノベーションの司令塔機能をさらに強化することが明記されている。ここでいうイノべーシヨンとは，改善·改良を主たる内容として意図しているわけではない。社会を変える非連続的なイノベーシヨンこそが求められているのだ。社会の変革に向けて新たな価値を創造し，新しい産業を創造していくためには，材料，デバイス，製造プロセス，技術·社会システム，研究開発システムなど様々な視点での変革が重要となることは言うまでもない。もちろh，イノベーションを起こす人材や場の観点も忘れてはならない。