東京メトロ10000系の車両デザイン

摘要

鉄道車両のデザインとは，いわゆる「インダストリアルデザイン」をすることであり，その意味は辞書によると「産業·工業において，美しさ使いやすさ·使い勝手の追求し，結果として製品の商品性を高めること」とある．デザインというとどうしても色·形などの属人的好みによる感覚論になりやすいところではあるが，鉄道事業における車両は，お客様に移動サービスを提供するための最大の商品であることから，様々な制約の中で，総合的判断に基づくインダストリアルデザインを行う必要がある．そして，色や形に対して機能と美を兼ね備えることで商品性を高め，かつ企業イメージ向上に役立つ車両とすることが重要であると考える．本稿ではこのような考えに基づいた東京メトロの最近の車両のエクステリア·インテリアデザインの検討手法，及びその機能等について紹介する．