近畿車輌における車両デザインの研究

摘要

近畿車輌は車両エンジニアリング部にデザイン室を置き，国内外の車両についてデザイン業務を行っている．中でも，売り上げの半数を占める海外案件では，日本と違った環境，文化，風習の中で，日本よりも広範なデザイン制作·検証が要求される．また，当然ながら案件ごとに進め方は異なり，ひとつとして同じものはない．こうした中で，当社のデザイン室では，デザインをイメージだけでなく，エルゴノミクスやユニバーサルデザインといったソフトエンジニアリングも含めたものであると位置づけ，案件に対応してきた．見つけの確立と検証ということで，実物大の模型（モックアップ）の制作についても主管業務としている．デザイン担当者が，直接海外顧客や海外サプライヤーと交渉してそれらをまとめていることを含め，独自の路線を進めているが，結果的に顧客からの満足度の高い車両を提供できていることにつながっていると考える，本稿ではその一端をご紹介することとしたい．