特集①:分野別人間工学の現状と将来(11)1-システマテイックレビュ一にょるスポ一ツ人間工学研究の俯瞰

摘要

人間工学は,システムにおける人間と他の要素とのインタラクションを理解するための科学的学問であり,人間の安寧とシステムの総合的性能との最適化を図るため,理論?原則.デ一タ?設計方法を有効活用する独立した専門領域と定義される1). スポ一ツは実施者の特性（アスリ一ト,子ども,高齢者,障がい者など）や目的（パフォ一マンス発揮,レクリエ一ション,健康運動など）にょって様相を変えるが,人間工学の学際的アプロ一チはスポ一ツ実施者の特性と環境のインタラクションで生じる様々な課題に対応するための柔軟性を持ち合わせていた. その広大な社会貢献領域は国際会 議 (International Conference on Sport, Leisure andErgonomics)が示したスポ一ツ人間工学の主要領域からも推し量られる:エイジング,身体組成?機能解剖学,サ一力デイアン要因,スポ一ツコンピュ一タ,健康?フイットネス,障害,環境ストレス,サプリメント?ドラッグ,フイットネスアセスメント,傷害,測定手法,筋骨格系負荷,小児人間工学,心理的ストレス,スポ一ツコ一チング,テクニ力ル分析,トレ一ニング反応,衣類設計デザイン,機械デザイン,保護具デザイン,靴?装具デザイン2）このことからも,スポ一ツ人間工学が国際的に市民権を得ていることは明らかであるが,国内研究の動向や成熟度にっいては不明な点が多い.