009年1月の大気大循環と世界の天候大

摘要

アラスカ湾でリッジが発達し，北米大陸，北大西洋，ューラシア大陸へと準定常ロスビー波束の伝播が見られ，500hPa高度では対応する波列状の偏差が明瞭に見られた．これらの位相は1月を通してほぼ固定していた．また，オホーック海周辺でもリッジが発達し，北日本を中心として明瞭な高温偏差となった．トラフが発達した北米東部や西ヨーロッパでは低温偏差が見られた．海面更正気圧を見ると，シべリア高気圧は平年よりやや強かった一方，アリューシャン低気圧は平年より弱かった．北半球の亜熱帯ジェットは，北アフリカから東アジアにかけては準定常ロスビー波束の伝播に対応して蛇行した．北太平洋のストームトラック域における高周波擾乱の活動は，日付変更線付近で平年より強く，北大西洋のストームトラック域では東部で平年より強かった．北半球の成層圏では東西波数2の循環が卓越し，大規模昇温が発生した．南半球では，1月下旬にオーストラリア南東部でリッジが発達し，異常高温の原因のーっとなった．