心不全とは何か？

摘要

急性心不全とは，急激に血行動態の破綻，すなわ ち肺うつ血や全身の浮腫，もしくは低心拍出による 症状?徴候を来す疾患群である.その診断基準は，今から約50年前にハーバ一ド大学のFramingham Study Groupより示されたのが最初であり，その基 準は今日も世界中のガイドラインに掲載され活躍し ている.しかし，昨今，この急性心不全とは慢性心 不全の「発作」として位置づけられ，慢性心不全の —部として治療戦略を立てるのが望ましいとされて おり，各国のガイドラインも慢性心不全と急性心不 全を区別することなく，ひとくくりに記載される流 れにある.