リハビリテーション

摘要

急性心筋梗塞をはじめとする急性冠症候群（ACS) は，急性期冠血行再建療法の登場により，その急性 期予後は著しく改善した.しかしながら，局所治療 であるカテーテル治療のみでは，長期予後改善効果 は十分ではないことがわかっており，逆に包括的心 臓リハビリテーシヨン（以下，心リハ）には，冠危 険因子?生活の質?長期予後を改善する効果につい てのェビデンスが揃っている.長期予後の改善には 薬物治療に加え，運動療法，食事指導，生活指導， ストレス管理などの包括的な介入が重要であり，こ の包括的な介入こそが心リハである.心筋梗塞では 心血管系死亡が20?25%減少するとされ，か つては禁忌とされていた重症左室機能障害例においても予後改善効果が期待できることがわかつてき た.本稿では心リハの有用性のェビデンスと進め方 の実際，日常生活での運動指導のポイントを中心に 述べる.