近代的な腐食防食科学は，その研究手段として電気化学を導入したときに始まったと言われる。我が国においてポテンショスタットを最初に導入し,腐食防食に関わる研究者·教育者·技術者を多数輩出，当腐食防食協会の設立に御尽力された岡本剛先生が生誕されてから，今年で百年の節目を迎えるに至った。 そこで，去る平成17年9月14～16日，岡本先生の生誕百年を記念した国際シンポジウム（International Symposium on "Progress in Corrosion Research"in Commemoration of Centenary of Birth of Professor Go Okamoto）をかつて岡本先生が教鞭をふるった北海道大学において，海外から13名，国内から16名の腐食研究者を招き入れ執り行った。また，三洋記念賞の授与式および受賞講演を涼催し，2名の若手研究者を表彰した。 これらは，岡本先生がCITCE（後のISE，1956年），Gordon Conference（1956年），第1回不働態国際会議（1957年）など，終戦直後から国際的な場所で積極的に活動された経緯を踏襲して企画された。 折しも，本シンポジウムは,秋の討論会（第52回材料と環境討論会）と併行開催したため，討論会からも多くの参加者が集い，また技術交流会を合同で実施することができ，盛会に終えることができた。ここに紙面を借りてシンポジウムの概要を報告する。
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