紅葉の葉が散り始め,寒い冬を真近に感じる11月25日,技術委員会主催の技術フォーラムが東京芸術劇場の会議室で開催された.芸術劇場は吹き抜けの空間を広くもつ開放的な雰囲気の建物であり,参加者が35名程度であったことからか,会議室が広くゆったりと感じられた.その中で,「いまなぜ国際規格化か? 」をテーマにした電気防食の最近の規格策定動向に関する特別講演が池谷氏(ナカボーテック)によりスタートした.国際的なグローバル競争が激化する中で,グローバルレベルでの市場の活性化,貿見事業,投資などの自由化を進展させる必要がある.そのためには矧際規格化により「貿易の技術的障害」を取り除かなければならかい.代表的な国際機関であるISO(国際標準化機構 International Organization for Standardization)は1947年に設立され,日本では1952年に日本工業標準調査会(JISC)が加盟している.ISOの機構図を図1に示す.国際規格作成の基本原則は,プロセスの透明性と公平が確保されることであり,特定の回またほ地域の特性を優先させるものであってはならない.ISOには多くの専門委員会(TC)があり,金属及び合金の腐食はTC156で議論される.TCには多くの作業グループ(WG)があり,電気防食に関する作業はTC156·WG10で主に進められている.2006年のTC156の国際会議は東京で開催され,その準備が着々と進められている.従来はヨーロッパ主導で進められる面があり,日本の国内事情に別してない規格が検討されることもあったが,今後は幹事国を引き受けるなどして,日本の発言権を高める必要がある.2006年に東京で開催される国際会議の場を有効に生かすことが望まれる.なお,TC156への対応は主にステンレス協会が行っている.
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