塗料·塗装

摘要

わが国における腐食損失および腐食コストの調査は1976年，2000年の二度にわたり実施された．それらによれば，腐食コストに占める割合が高いのが塗料，塗装によるものであった．既に2度の調査からそれぞれ38年，14年を経過したが，その間にも国内外の市場では腐食防食における塗料?塗装には大きな変化,進歩発展があった.鋼道路橋塗装?防食便覧などの指針，ガイドラインが出版されたことも重要なことである．それらのキーワードは環境保全を期待した塗料,省工程を達成する塗料,施工法，耐久性を向生した塗料?塗装，構造物の立地場所の変化すなわち厳しい腐食環境での立地である．一方でグローバル化が進み，世界標準の登場が著しい特徴となっている．しかも高度成長期を経過して，現在では鉄鋼構造物,コンクリート構造物などの社会資本は建設してから既に長年月を経過し，経年劣化が進展しつつあり，その維持保全についての対応を求められる時代を迎えている．