きく8号(ETS-VIII)のロバスト姿勢制御系設計－DVDFBの特徴を活かした二自由度制御系の適用

摘要

本稿では，将来のミッション要求を踏まえた大型柔軟宇宙機の姿勢制御系設計法について検討し，多入力多出力LPV系を制御対象とする二自由度制御器の設計法を提案した．そして，外乱により励起される柔軟構造物の弾性振動と姿勢角変化の抑制，および，姿勢変更マヌーバ実施時における応答性能の向上，の相異なる二つの制御仕様のそれぞれに対して，提案手法が高精度姿勢制御を実現できることをETS-VIIIの数値モデルを用いたシミュレーションにより示した．現在は，ETS-VIIIの軌道上実験のために，提案手法により設計した制御器の実装作業を含めた準備を進めているところである．