ミカンキイロアザミウマの発生ハウスにおける冬期間フイルム除去による越冬阻止

摘要

ミカンキイロアザミウマは北アメリカ原産の侵入害虫で，国内では1990年に千葉県で発生が確認されて以降（2），1996年に北海道でも発生が確認されている（3）．本種は北海道や東北北部では露地越冬は確認されていないが，休眠性はないものの低温には比較的強く，ロシア（4）や北海道（11）の施設や無加温ハウス内での越冬が確認されている．本種の耐寒性に関して過冷却点についてはBrodsgaard（1），低温耐性あるいは低温馴化についてはBrodsgaard（1），小山ら（7），片山、池田（6），MccDonald et al．（8－10）が報告している．しかし，前報（5）で，北海道で無加温ハウスで初冬に採集した本種雌成虫は，先の報告にある夏採集あるいは室内飼育の個体群より数倍強い低温耐性を示すことを報告した．そのため，ハウスフイルムを冬期間に除去してミカンキイロアザミウマを低温にさらした場合，越冬を阻止ができるかどうかを検討したのでその結果を報告する．