北海道の醸造用ブドゥ品種における ブドウつる割細菌病に対する感受性

摘要

ブドウつる割細菌病はXylophilus amperinusによつ て引き起こされる細菌病で（13),ギリシャ，フランス， スペイン，イタリア，チュニジアなど地中海沿岸のョー 口ツバおよび北ァフリ力を中心に発生し.南アフリカ. 南アメリカにも発生が拡大している病害（11)である. 日本では2009年に北海道内の醸造用ブドウにおいて初 めて発生が確認され（10), 2012年には秋田県の生食用 ブドウでも発生が認められている（12).本病が発生す ると.葉にはハロー を伴う褐色の小斑点が生じ，病状が 進行すると小斑点が融合して大型の病斑となる場合があ る.また新捎に黒褐色のかいよう症状が生じ，表皮が裂 けて，つる割症状となる場合がある.果実では，かいよ う症状を呈すると共に，裂果，黒変がおこり腐敗の原因 となるため，収量への影響が大きい.本病は近年まで国 内で未発生であったこと.既発生の地中海沿岸諸国は温 暖な地域であり，亜寒帯に属する北海道で栽培されるブ ドゥ品種とは適応品種が異なることから道内導入品種に おける本病に対する品種間差異について知見がなかつ た.本研究ではこれまで報告の無かった冷涼な地域に適 した品種における本病への感受性について調査したので 報告する.