カラフルポテトで機能性食品ーレトルト食品、スナック、ビール、発泡酒の開発へー

摘要

澱粉の多くは，構成するグルコース分子の一部にリン酸基がエステル結合していているが、このようなリン酸基が特に多く存在する澱粉のことを高度リン酸化澱粉という。一部の馬鈴薯は、高度リン酸化澱粉を含むことで知られている。グルコースにエステル結合したリン酸基を有するリン酸化オリゴ糖には、ミネラル可溶化効果、虫歯予防効果といった興味深い健康機能性があることが最近わかつてきている。 エステル結合したリン酸基が多く存在する高度リン酸化澱粉にも健康機能性が備わっていると考えられるが，残念ながらデーター的な裏付けに乏しい。 一方、消費の活性化を狙ってアントシアニン色素を含む有色馬鈴薯が最近開発された。 馬鈴薯のアントシアニンは、抗酸化性、活性酸素消去能、抗インフルエンザ活性などの機能性があることがすでに認められている。 筆者らは、このような有色馬鈴薯は高度リン酸化澱粉を含有していることを新たに発見した。 以上の知見を基盤として検討を重ねた末、筆者を技術コーデイネー夕ーとした研究コンソーシアムが結成され、農業、生物系特定産業技術研究機構，平成15年度生物系特定産業創出のための異分野融合研究支援事業に課題名「高度リン酸化澱粉及びアントシアニン色素を含有する馬鈴薯を用いた機能性食品の開発」として応募し、幸運にも採択された。 以下には、本研究コンツーシアムについて紹介したい。