マリーナベイフロント橋（The Helix）建設プロジェクト

摘要

シンガポール共和国はマレー半島の最南端に位置し、東京23区ほどの国土面積と人口500万人の島国である。天然資源は皆無でありながら、政府の適時かつ迅速な施策の実施や、外資を主とする産業活動を軸に、他国の経済停滞を尻目に持続的な経構成長を続けている。2010年には、1人当たりの購買平価ベースのGDPが世界第4位となる躍進を遂げる等、東南アジアを代表する「灼熱」の十国である。その主要産菜の一翼を担う観光産業に対して、シンガポール政府観光局は2005年に観光振興戦略「Tourism 2015」を策定し、2015年までに年間訪問客数を2005年の倍の1，700万人、年間観光収入を3倍のS＄30 Billion（約2兆円）にする目標を掲げており、官民協調の下での観光資源開発が進められている。その一環として、シンガポール政府都市再開発庁（URA）は、観光振興戦略の核となるマリーナ·ベイ地区に開発されたカジノ総合リゾート施設と、その対岸のシンガポールのランドマーク（エスプラネード·シアターヤシンガポール·フライヤー（観覧車））が位置するマリーナ·センター地区を結ぶ道路橋、歩道橋および付帯公園の建設計画を公表した（図1）。