鋳物業の将来展望と現状

摘要

日本の鋳造業は，これまで堅調に規模を拡大し，1990年にはピークに達したが，バブル崩壊後の日本経済の厳しい景況の下，ユーザー産業の海外進出·海外調達による空洞化により国内需要が低迷し，大変厳しい状況となっている。 その内の約73％を占める銑鉄鋳物の生産量は1990年が550万トンでピークとなり，2001年が362万トンの35％減となっている。 また，日本の銑鉄鋳物の主要な用途としては，自動車用，産業機械や金属工作·加工機械等の一般機械用，電気機械用，管継手用，鋳鉄管用などがあげられ，自動車用，一般機械用，電気機械用で需要の約70％を占めている。 また，鋳造全体でも同様であり，この傾向はあまり変わっていない。