光通信ネットワークと有機デバイス

摘要

インターネットトラフィックの爆発的な増加により光ファイバーが家庭に達するFTTH（fiber to the home）ネットワークの普及が加速され，2003年度未には100万を超えるユーザーがオフィスやマンション，住宅で光によるブロードバンド通信サービスを利用している。 FTTHやその先につながるLAN，ホームネットワークのさらなる普及に向けた重要な課題として，光ファイバー，光フィルタ，光スイッチなどの光デバイスの高性能化，経済化，高信頼化が挙げられる。一般的に，石英製ファイバーを使った光通信では信号伝送のために波長が1.3または1.55 μm付近の近赤外光を使用する。 最近ではAV機器や車載LANを中心に波長0.6～0.9 μmの光源を利用した光接続も普及しはじめている。 有機材料は，幅広い波長の信号光を低損失かつ低反射で伝送するための透明性や屈折率整合性が優れているのに加えて，微小なレンズ，光導波路などに加工するためのプロセス性とそれらの個別部材を簡単に接着・接合できる組立作業性をあわせ持つため，光デバイス作製に利用した場合にその長所を大いに発揮できる。