超音波振動子

摘要

溶液に超音波を照射し，超音波による物理的作用や化学的作用を利用するソノプロセスにおいて，超音波を発生させる部分を超音波振動子と呼んでいる。超音波振動子は電気信号を超音波に変換するもので，磁歪型と圧電型が用いられる。 現在，磁歪型はうず電流が小さく高効率なフェライトが材料として使用され，圧電型はチタン酸バリウム（BT）やジルコン·チタン酸鉛（PZT）などの圧電セラミックス，ポリフッ化ビニリデン（PVDF）などの圧電高分子，および水晶やニオブ酸リチウム（LiNbO_3）や酸化亜鉛（ZnO）などの単結晶が使用されている。 超音波振動子は大きな変位を得るために一般に機械共振周波数で使用され，厚み方向の共振を利用する場合，周波数が低いほど超音波振動子の厚さは厚くなる。このため超音波振動子の材料は，使用する周波数によって制限をうける。図1に主な超音波応用機器と使用される超音波振動子の材料を周波数別に示す。 ソノプロセスでは，周波数20kHzから数MHzの範囲の応用が報告され，この周波数範囲では安価で多様を形状に加工しやすいPZT圧電セラミックスが使用されている。 また最近では環境を考慮した非鉛系の高効率な圧電セラミックスも開発され，注目を集めている。