第7章 ロボットの課題と対応

摘要

第6章までにロボットの構成や機能，ほ場試験により実証した性能等を述べた。開発したロボットは，慣行のトラクタによる有人運転作業と同程度の作業能率，精度で各種の無人作業が行える性能を有しており，無人作業の取扱い性や信頼性，安全性についても，実用利用できるレベルに近いものとすることができた。しかし，このロボットを現状の日本の農業現場つまり農家作業に導入·普及させるためには，まだ解決·対応すべき課題があり，それはロボットの低価格化と安全性·信頼性の更なる向上及び農業現場での有効な利用·運用方法の確立である。これらの課題の現状と解決·対応方法について，試算の結果や試行的に行った人·障害物センサの性能調査結果も含めて以下に論じる。