次世代排水処理システムによる震災被害地の生活環境復興

摘要

2011年3月11日に発生した大地震により，下水道や浄化槽といった汚水処理インフラが壊滅的な損傷を受け，水洗トイレ等の使用が制限され，生活環境の衛生性・快適性が著しく損なわれる状況が継続した。そのような状況を鑑み，家屋内には，節水機器を積極的に導入し，水不足に対応し，節水と省エネルギー化の同時達成を図ることを検討した。また，同時に排水受け入れ側には浄化槽を採用し，汚水処理インフラを速やかに復旧させ，水洗トイレ等排水設備の早期利用開始を図り，生活環境の衛生性・快適性および水環境を速やかに復旧させるとともに，その浄化槽に対しては，①節水機器導入による低水量高濃度生活排水対応，②浄化槽の省エネルギー化，③水環境汚濁負荷の削減，の同時達成を目指した次世代排水処理システム（節水機器＋省エネルギー型高濃度対応浄化槽）を構築することについて検討を行なった。本報では，これらの研究背景およびその研究概要について報告する。