バイオエタノールをめぐる国雋情勢と砂糖産榠への影響について

摘要

Ⅲ. EUrnEU sugar policy was reformed, since C quota and re-export ACP sugar was deemed to be inconsistent with WTO rules. The new regime started in July 2007. This has changed the EU from the second largest export region to an import one. It would be running short of about 5 million tones of supply to world market, therefore, this will have a large impact on the world sugar market as well as its business.%砂糖の国際需給や相場の事情は，バイオエタノールのrn急速な需要拡大により，ここ数年で大きく変貌した。こrnのエタノールの砂糖需給への影響は，需給バランスの影rn響だけでなく投機筋の動きも加わって，より複雑化してrnいる。本稿では，砂糖需給や相場など，砂糖産業に影響rnを与える要因として，ブラジル及び米国におけるバイオrnエタノール事情とEUの砂糖政策を中心に報告する。rnⅠ．ブラジルrnブラジルは米国と並んで，世界的なエタノール生産国rnであり，輸出量では約8割を占め，世界的な供給国となっrnている。「USINA」と呼ばれる多くの工場で砂糖とエタrnノールの両方が生産されている。rnブラジルのエタノール産業が成長した要因としては，rn（a）プロアルコール政策により，エタノール生産の増rn大のみならず，間接的にさとうきびと砂糖の生産も増大rnしたこと，（b）全国でのガソリンへの無水エタノールrnの混合を義務付け（20%～25%）たこと，（c）豊富でrn安価な地域労働者（特に収穫時）と6万人ものさとうきrnび供給者により，最も競争力のある砂糖・エタノール産rn業を下支えしていること，（d）さとうきびの育種シスrnテムが進んでいること，（e）さとうきびの作付けに利用rn可能な9,000万ヘクタールの豊富な土地が残されているrnこと，が挙げられる。rnブラジルのエタノールは，副産物である糖蜜からではrnなく，さとうきびの絞り汁から生産されるため，砂糖とrnエタノールの生産は競合する。このため，世界の砂糖市rn場はエタノール需要に影響を受ける。rnⅡ．米国rn米国では，第一次オイルショックを契機とした中東かrnらの石油依存度の低減，環境規制の強化などを背景に，rn各種エタノール生産を促進するための施策が講じられrnた。米国におけるエタノール産業の特徴は，農家所有にrnよる工場（40%）が多いこと，鉄道による輸送（70%）rnが主力であること，エタノール生産過程で発生するrnDDGSが，工場経営にとって重要な役割を果たしていrnることなどである。エタノール生産の原料の約90%はrnとうもろこしであり，順調なエタノール需要を反映して，rn大豆からの転作などにより，生産量も増加傾向にあり，rnエタノール工場も次々と建設されたため，現在では世界rn最大のエタノール生産国となっている。しかし，FFVrn車の普及やE85ガソリンスタンドのインフラの整備がrn進んでいないなど流通・利用面での課題が残されている。rnまた，米国では中西部を中心としたとうもろこし以外rnにも，さとうきびからのエタノール生産が注目されておrnり，ハワイ州は米国内で唯一の商業ベースでの生産が可rn能であると期待される地域であり，州政府による支援策rnも講じられている。rnⅢ．EUrnEUは，域内余剰砂糖の輸出およびACP諸国からのrn砂糖の再輸出という制度がWTOで違反判決を受けたこrnとから，2006年7月より，輸出に頼らずに域内で需給rnバランスを保つことを目指した制度改革が実行されていrnる。このため，世界第2位の砂糖の輸出地域であったrnEUが輸入地域に転落し，その結果，国際市場に約500rn万トンの供給不足が生じると見込まれる。したがって，rn砂糖の国際需給の状況にも大きな影響を及ぼすことが予rn想され，今後の動向が注目される。