新幹線高速わたり線の保全手法に関する研究

摘要

平成27年4月29日、東北新幹線郡山構内交差式わ たり線箇所において、320km/hで本線を通過するパ ン夕グラフがわたり線の側線トロリ線の摺面に接触 し、切削を伴って摩耗が進行したことにより断線に 至った。本事象を受け、当社では東北新幹線の 320km/h走行区間において、わたり線通過時にパ ン夕グラフが側線トロリ線に接触する可能性が極め て低い、無交差式わたり線（以下、高速わたり線） への改良を行った。福島県下を管轄する郡山電力技 術センターにおいては、平成29年9月をもって、郡 山構内（8力所）、新白河構内（8力所）及び福島 構内（10力所）の全26力所のわたり線改良が完了し た。高速わたり線には理論管理値が設定されている が、当社として初めて保全する設備であることか ら、温度変化等により実際にどの程度の架線変動を 示すのか把握できていない。