国立研究開発法人情報通信研究機構における耐災害ICT研究開発とその社会展開一耐災害ICT研究センターの活動を中心に

摘要

情報通信技術(以下ICT)は、日々の社会活動の基盤としてさらに役割を広げ、強めつつある。電力グリッドや物流網を人体の血流に例えれば、ICTは神経網、脳に例えることができるであろう。ICTはまた、災害発生時の人命•財産の保全、災害からの復興および再生に極めて大きな役割を果たしうる。しかし、2011年3月11日に発生した東日本大震災では、基幹ネットワークや携帯電話網、さらには防災行政無線屋外拡声システム等の動作不全など情報通信網に多くの問題が発生した。