建築•都市は火山災害にどう立ち向かうべきか一日本建築学会火山災害対策特別調査委員会報告

摘要

日本には111の活火山があり、全世界の活火山のうちの約8%が集中している。富士山も活火山であり、国と関係自治体は検討委員会を設置して、ハザードマップや避難計画を整備してきた。こうした中、2014年に御嶽山が噴火、主に噴石によって63名の登山者が犠牲となる。これを受けて国は活動火山対策特別措置法（活火山法）を改正し、活火山の影響範囲にある地方自治体を火山災害警戒区域に指定。火山防災協議会を作り、警戒避難態勢の整備や避難確保計画•避難施設緊急整備計画等の策定、降灰除去事業の促進などを義務化した。さらにはシェルターや待避壕、あるいは火口周辺のロープウエイ駅や、商業施設などの耐火山性能の検討も求めている。噴火による火山作用が今後の建築•都市の研究に反映されることに備え、日本建築学会として火山災害にどう取り組むかを議論しておくことは重要との観点から本調査委員会が発足した。委員会のメンバーおよび目的等は以下の通りである。