ロンドンの救急医療システムとその運用状況: トリアージと各職種への分業·分担による救急運用

摘要

日本人がロンドンなどで救急医療を安全に受けるために重要なことは，イギリスでCategory Red 1に含まれる(心肺停止や，脳卒中，虚血性心疾患，多発重症外傷など)緊急性の極めて高い疾患が発生した場合は直ちに999に救急車要請を行うべきであり，正確に症状が伝えられさえすれば高い水準の医療をうけることが可能である.しかしながら上記に含まれない緊急度や重症度が低い疾患の場合は救急車による救急病院への搬送を要請したり，自身で救急病院を直接受診しても日本のような迅速な対応は期待できない.よって普段から居住地周辺にどのような医療機関があり，どのレベルまでの疾患に対応、できるかを事前に十分調べでおくことが必要である.そして日頃から自身の健康管理に注意し，かかりつけGPとは良好なコミュニケーションを維持すること，そして何らかの異常を自覚した場合には症状が重症化する前に早めに適切な対応を行うことが重要である.