A.ロッシ初期論文「ミラノの新古典主義建築における伝統の概念」の読解と解釈: 新古典主義建築を背景としたアルド·ロッシの初期建築理論における根本理念に関する研究1

摘要

The fundamental idea within Aldo Rossi's architectural thinking is deducted from his earliest investigation on the neoclassical architecture, and consists of the following three moments:« realism »， the new concept of«tradition », and the conceptual schema of« form - content». These moments are intimately united in the city, and have the same common base: the Enlightenment reason. This idea consistently characterizes Rossi's architectural thinking, and is further developed according to other different contexts.%第二次大戦後以降の世界各国の建築文化を各文脈において再検討するという課題が浮上している今日の建築史分野において、戦後イタリア建築文化は強い関心が寄せられる対象の一つである。同文化は、英語圏を中心としたポスト·モダニズムとは異なる動きとして、第二次大戦直後からモダニズムに対して単なる反対とは異なる批判的考察を行っていた点が着目されている。特に本稿が論じるアルド·ロッシは、早世への無念の感とも相まって、同文化のアイコン的な存在として現在の研究の不可欠な参照項となっている。